2015年4月29日水曜日

COSEL製電源LDC30Fのインピーダンスを晒すついでに電源の劣化診断のアドバイス

おはようございました。

久しぶりに何もしないお休みが来たので、家に転がっている電源のインピーダンス特性を測ってみようと思った次第です。

では早速、今日は男儀の塊であったであろう昭和天皇に思いを馳せつつ何かをする日、と勝手に私が思いついたので、その思いに従い半分妄想を交えながら測定します。




この電源の±12Vを搭載した側は劣化してまして、そろそろ危ない状態です。
インピーダンス特性を見ると分かりますが、+12V出力に特徴のある変化が現れているのが分かると思います。
+12Vと+15Vでは多少フィードバック設定用の抵抗値が変わりますが、大した差はありません。
つまり、この測定では劣化傾向はインピーダンスで見る事ができるかもしれない事を示唆しています。
一般的な絶縁式の電源の劣化に関しては、コンデンサだけではなくフォトカプラの影響もありますから、インピーダンスの傾向も見ておく事をお勧めします。
(ただ、インピーダンスだけで見るよりは、特定負荷条件下での電圧リップルノイズ等を加味した方が安全だと思う)

今回は偶々インピーダンスが下がりましたが、設計次第ではどう転ぶか分かりません。
電源の品質や安全性、故障時の安全側への壊れ方等は、企業云々ではなく設計者個人に依存する所です。
なかなか会社や企業の文化としては残りにくいところです。

理由はマニュアルに載せられるほどの体系化をできる人がなかなかいない事と、昨今の企業文化の傾向としてコストアップをある程度許容する標準化をしない傾向が強い、安全側への壊れやすさの評価なんて指標自体がそもそも存在する事がほとんど無いためです。

本来こういった安全を要求するものは、壊れる順序を正しく設計しなければなりませんが、それは意図的な寿命を組み込む方向に繋がります。
そして、その意図的な寿命に対比して、他の部分の寿命を相対的に伸ばす事を要求しなければなりませんが、ココが大きなコストアップに繋がります。
そして、これらは多くの企業に存在するマニュアルの運用には違反する行為でもあります。
また、“壊れやすく設計する”という言葉に過剰反応する人が異様に多く、設計を知らない設計者が多い昨今では猛反発を食らいます
そして、下手に強行をすると、顧客にとても喜ばれたが自社に貶され首切りに合うという悲惨な目にあった私と同じ運命を辿る事を約束されてしまいます。

つまり、電気物の電源・モータドライバ・産業用インバータ等のパワエレ周辺の設計に関しては、会社の設計指針よりも、個人の能力の結果に依存する傾向が強いと私は断言します。

CISPRだろうが、VCCIだろうが、ULだろうが、IECだろうが、通そうと思えば力技で何とかできる程度の規格です。
そんなどうでもなる所で手をこまねいている程度の企業には能力がないと私はきっぱり言い切ります。

我々が必要なのは、実使用条件下に置ける真の安全性であり、それは規格には最低限の事しか明示されておらず、顧客の要求を満足する事はありません。。
ですから、電源の品質・メーカーブランド・ロット等には、多少なりとも拘って置いたほうが良いのかも知れませんよ?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

私事ではありますが、寄稿させて頂きました

おはようございました。

完全なる私事でありますが、日本技術士会の中部倫理委員会の前身である『ETの会』が発行した書籍に寄稿させて頂きました。

技術倫理と社会 第10号

です。
技術者の限界に潜む倫理的課題と解決の糸口
と題しまして、

  • 好きなことと上手なことを区分する
  • 中長期視点で開発・設計に挑む必要性
  • 日本で困難な技術者の経営参画問題
  • 成果には相応の報酬を要求する勇気
  • 国勢・政治情勢を捉えて一歩先を見る
  • 激動の2015年の先を見据える
と、こんな事を宣ってみました。

他の有名な方々の寄稿記事(むしろこちらが主ですが…)もたくさん含まれております。

印刷協力費1000円で手に入れる事ができますし、
国立国会図書館にて閲覧も可能です。

ぜひ一度読んで戴き、違った世界を味わって欲しいと願っています。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2015年4月26日日曜日

運用にかかる費用を正しく認識しましょう

おはようございました。
昨今、仕組み作りで儲けるだの、マニュアル化して一般化するだの、頭の弱い方々を対象とした詐欺行為がようやく落ち着いてきました。
これらは高い金銭を要求した講習でして、しかも投資額よりも儲かる(事例もある)ことを宣伝文句としており、中途半端にお金を余らせている欲深き頭の残念な方々を対象としています。

これらの詐欺行為は非常に分かりやすく、肝心な事を教え無い事によって、意識の無駄に高い連中が毎回教えを請いにやって来るので、意識の無駄に高い連中が気付かない限り無限に搾取できる仕組みに成っているという構造です。
まんまと嵌められた訳ですね。

住宅投資詐欺も同類です。
借金を背負わせるか、土地と建物を丸々奪われて、ハイ終了。

考えてみると分かるのですが、儲かる方法を教えてしまうなんて、一般にはあり得ない事です。
儲かるのは自分自身だけにしておかなければ、資産が相対的に目減りしますからね…。

さて、資格取得講座も同じですよ?という話はさておき、今日の本題。
これらの詐欺行為に共通している肝心な事を堂々と晒そうと思った次第です。

詐欺行為ですから、宗教同様に、教祖様≒講演者の地位が堕ちない配慮が必要です。
そのために、受講者の一部は成功しつつ、なおかつ多数派が肝心な所で自爆する必要があります。
しかも、教えを請いに来ているということは、考える事を棄てたか、若しくはヒントが欲しいかどちらかであって、しかもある程度自分に都合良い解釈を勝手にして、目先の金銭に縛られる内容です。

もう、お解りですね?
この手の教えには、実務に必要な運用の側面や費用といったコスト面をほぼ教えません
こうする事により、成功する可能性があるのは運用が分かっている人や、運用経験・運用方法の確立をできるだけの意識のある人員のみに限定されます。
つまりは思考能力のある人+運を掴んだ人だけが成功でき、大多数の人は自爆してくれます。

運用という側面は非常に大きく重いものでして、実際の現場において継続して改善される仕組み、しかも仮想(≒紙面上・組織上)だけではなく現実に回る構造を構築できない限りは、ほぼ間違いなく失敗します。
しかも厄介な事に、実際の運用というのは非常にコストがかかるものです。
仕組みもマニュアル等も時代や実態に合わせてメンテナンスする必要があります。
おまけに内容が濃くなるに連れて、関わる人員の要求される基礎能力が高くなりますし、その上多くの資金と初期投資が必要になります。

特に企業に於いて失敗しているのがマニュアル化でして、マニュアルの維持管理能力が無い組織がマニュアル化を進めると、某大手家電メーカー(今は金融会社)の様にマニュアルによって自らに足枷を嵌める事になります。

例えば失敗例として、
『電源インピーダンスを下げ、なおかつコンデンサの共振を抑える方法として、同じ容量のコンデンサを並列に用いなさい』
という知っている人からすれば、キチガイの極みみたいな事を平気で宣うマニュアルも存在します。
これ、笑い事では無いですよね。機械構造であれば、
『壊れないように、剛性の高いもので綺麗に対称性を高く作りなさい』
という、一見綺麗に仕上がりながらも、超危険な共振を起こす構造です。
剛性の高い≒必然的に減衰率は下がりますから、延々と振動が残る訳です。


仕組み作りや技術のマニュアル化に関係する必要要件を正しく認識しましょう。
仕組み作りや技術のマニュアル化には、組織全体の能力上昇と、継続的な投資が必然不可欠です。
仕組み作りやマニュアル化したは良いものの、多くの場合は仕組みの現実性が欠けていたり、マニュアルの維持に関わる人員の能力不足によって、以前よりも圧倒的に弱体化する場合が多く見受けられます。

マニュアルも仕組みも継続的なメンテナンスが必要です。
そのままで済ませられる程世の中は停滞していません。また、常に進歩して変わりつつける事を要求されます。
運用にかかる費用の目安は対象となるシステム全体の設備投資額と同等か、それ以上です。
そこまで懸ける事ができないのであれば、素直に仕組み化やマニュアル化、そもそもの投資自体を諦めましょう。
中途半端に壊れたシステムを構成する事は、大きな社会悪となり、経済を停滞します。
そういう意味では名を残さない生粋の悪党になってしまいます。

それが嫌だと言うのであれば、煽って仲間を連れて儲かるか分からない共同戦線の方がまだ潔いです。

仕組みもマニュアルも、只では運用できません。
運用には人も金も物も全て必要です。
知恵や知識があるから大丈夫なんて思っているならそれは大きな間違いです。
結果を実装する母体まで持って来て、初めて社会を動かす事ができるのです。
自分は偉いから、自分は上司だから、周りは動いてくれるなんて言う、口先だけで人が動く幻想はとっとと捨てましょう

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2015年4月18日土曜日

コンプライアンスの要件に必要な事項を正しく認識しましょう

おはようございました。
近年、どこかしらで騒がれている“コンプライアンス”に付いて、理想と実態の乖離が大きく、社員の士気を大きく削いでいるという大きな問題があります。

簡単に言ってしまえば、
法令すら守れない癖にコンプライアンスなんて語るな!!
という言葉で片付くのですが、それだけでは分からない方も居ますので、ちょいとばかり補足をしたいと思います。


コンプライアンスという言葉(というよりは英語の単語全般)は限定された範囲内で結構意味が広く、法令遵守よりもかなり重たい言葉です。
一般社会ではここが全くと言って良いほど理解されていません。
アジェンダ(の党)だの、イノベーション(Leading innovation)だの、ソリューション(MSOL?)だの、よう分かってない人が
“なんだかよう分からんが、格好良さ気だからカタカナで語ってみたろう”
という形で語りだし、言葉を壊してしまった単語の一つです。

様々な問題の中、カタカナがすごく軽く見える世の中にあって、この単語もまた被害を被っている訳であります。

要は、格好つけたがりの人が、意味も良く理解してい無い言葉を、無駄に暑苦しく語り散らすという、典型的な厨二病の代表例というものです。

そう言えば、破壊したいだけなのに、維新という結構裏方の裏打ちが必要な言葉を使って詐欺まがいの政治をしようとしている団体さんも西日本にいますよね。
彼らは根回しがとんでもなく苦手に見えるのですが、こんな重い言葉を使って大丈夫でしょうか?
某団体が仕事無いからといって、安易に政治家に走るとこういう結末になるという良い典型例です。皆さんは真似しないようにしましょう。

そんな訳で、言葉の力や重みというのは、本人が思っている以上に重く、そして意味深い言葉です。

事、外来語と呼ばれるカタカナは、本来の意味が広すぎて日本語に置き換えるのが困難という側面もありますから、本来は用法や背景をしっかり配慮する必要があります。


さて、言葉は生き物ですよ?という話はさておき、本題のコンプライアンスの話。

この言葉には、法令を遵守することから社会に貢献すること社会全体の調和を正すという物凄く幅の広い意味が込められています。
その言葉の意味を理解すると、経営的な視点からは“目指すものであって、強引に守らせるものでは無い”ことが良くわかると思います。
現実問題、法令遵守すら普通の企業にはとてもハードルが高い問題であります。
私の知っている限り厳密に法を守れている企業は中小企業の一部と言っても過言ではありません。大手はほぼ守れていません。
それをさらに拡大解釈したコンプライアンスを守るといった日にゃぁ~もう、
『何のコントですか?』
と、社員総出で陰口を叩かれかねません。


現実的な実例問題として、利害関係者(ステークスホルダー)に対する法令遵守という時点で、一部の中小企業以外は、ほぼ守れていません
例えば、下請法にある2ヶ月以内にお金を支払うという要件は、資金練りが苦しい会社の場合であれば、親会社が直ぐに支払わ無い場合であれば守る事が非常に困難です。


納品してもすぐに金を払ってくれない…これ、意外と深い問題でして、企業は当たり前かのように延滞して金を払おうとします。
良識のある社会人であれば、購入=金を払うが同時進行で、“対価をその場で払うのは当然の行為”です。
しかし、現実の日本企業はお金を後から払い、悪い意味でゴネる機会を得る事ができるのです。
悪い意味で、ただ働きしろ!と公言しているわけです。


残念な事に、大手の企業ほど支払い条件が悪く、5ヶ月待たされる事も普通にあります。
私が勤めている会社を含め金払いが極限に悪いです。
これ、立派なコンプライアンス以前の“準”法令違反ですよね?
昔のおっさん連中ですら、飲み屋に“付けといて!”は、5ヶ月も待たせません。

下請け、孫受け会社に対して、5ヶ月給与無しでどのようにして生活しろというのでしょうか?
私はこういう支払い条件を提示した会社の神経が非常に理解できません。、
コンプライアンスの話をする場合には、必ず広義の利害関係者について深い配慮をする必要があります。

広義の利害関係者の範囲を理解していますか?
これ、結構重要な問題ですが、ほとんどの大手企業は全く無関心で問題があるように感じます。
場合によってはISO26000、JIS Z 26000 に関する抵触要件にすらなりえます。

実態を伴わない多くの動きは、社員の士気を大きく損なう結果になります。
それが例え一見関係のなさそうな相手に対する行為であってもです。
厄介な事に、関係のない相手に対する配慮を考えている人ほど優秀な社員であり、会社の実生産の大半を生み出している場所に近い存在であったりもします。

大手の企業ほどコンプライアンスという表面上の言葉だけに踊らされているように思いますが、実態のコンプライアンスを守るためには大手ほど資金が枯渇します。
それは大手ほど頭を使って働く人、体を使って働く人以外の生産しないで政治ごっこで遊ぶ人の絶対的割合が圧倒的に多い為です。

コンプライアンスを守りたい、そうであれば、先ずは身元をしっかりと固めてから精進しましょう。
社内の政治ごっこ専門家に対する方策を考えてから実行すべきです。
両方同時に進行してから、始めて一歩前に進む事ができます。
口先だけのコンプライアンスと言うのはとても恥ずかしい結果にしか繋がりません

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2015年4月15日水曜日

VF-A7(東芝製産業用インバータ ) の修理に付いて

あぁ、そういえばこちらには書いてなかったと思うので記載。

過去の製品群の中で一番設計がマシと思える産業用インバータのひとつに、東芝製のVF-A7という機種があります。

この機種の壊れ方としては、

  • モータが過電流でトリップし始める
  • nOFF(主回路電圧低下)が出て動かなくなる
  • FANが動かず(動かすトランジスタが故障して)にオーバーヒートで止まる

という症状が多いです。
今回はこいつの対処の仕方を晒そうと思います。


私が手を入れる=当然のように10年以上前の代物です。
しかし、持ちのよい優秀な装置であります。

基本的なパッケージとして、

  • CPU周辺の基板(設計が頑丈で長寿命)
  • IGBTのドライブ基板(3.7kW以下はIGBT・大型の電解コンデンサと一緒)
  • IGBT本体(3.7kWを超えるもののみ)
  • 内部の直流電圧生成・維持用の電解コンデンサ(3.7kWを超えるもののみ)
  • 冷却ファン
  • ヒートシンク
  • ノイズフィルタ基板

というパーツに大まかに分ける事が可能です。

このうち、

  • FAN
  • 大型の電解コンデンサ
  • ドライブ基板

急速な劣化対象であり、こいつに手を加えると+5年ほどの延命措置ができるというものです。
※ ひょっとしたらもう少し伸びるかもしれませんが、壊れ方が危なくなるので危険

しかし、この機種も容量によっては中のIGBTドライブ回路が残念な事になっていたりします。
外れを引いたら、その設計者に『この○ソ野郎!!』と言いつつ、ゴミリサイクル箱へ直行させてあげましょう。

では早速、交換場所を見てみましょう。


CPU基板と交換箇所

ドライブ基板 他

ドライブ基板交換箇所


ドライブ基板は容量によってサイズは違えど、大凡似たような構成になっており、やられる場所は電解コンデンサHCPL-7840Aの2種類です。
FANが止まって動かない場合はCPU基板のトランジスタ
表記がCEYなら2SC3325Y(Q22)、表記がQEならRN1425(Q22)を交換
しましょう、
可能であればIGBTを外してシリコングリスを塗りなおす事をお勧めします。乾いてしまうと熱伝導性が著しく低下します。熱伝導性が著しく低下すると、寿命がきて無いはずなのに、アルミスライドあたりでIGBTが激しくすっ飛んで綺麗な花火が上がり、大変困った事になります。

最近の東芝製インバータは結構設計が雑な上に、壊れても修理がしにくいようにモールドされています。
確かに極悪な化学的条件下・露点の高い条件下ではモールドされていたほうがいいのです。
しかし、こういう物は部屋においてクーラーガンガン利かすか、換気して涼しい条件下で動かすのが当然な代物です。
ですから、分かっている人間にとっては基板のモールドはオプション扱いにして欲しかったなぁ~と思う次第です。

おまけに変な安物ネジ使い出したり、回路設計が残念で壊れやすくなっていたり、加工が荒くてバリがひどかったりと、変なコスト削減で残念な結果になってしまわれているので、最近の東芝製インバータは強くお勧めしません。

しかし、この代の東芝製インバータ(特に18.5~22kW)は他社にはない設計思想があり、とても光るものがあると思うのです。
ということで、最近調子が悪いVF-A7を見かけたら手を入れてみませんか?きっと手を入れた分誠実に応えてくれる良いインバータであると実感できますよ。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2016/01/26 追記:
インバータの型番とFANという単語で検索される方もいるので、コネクタの型番を晒します。
コネクタは、AMPの179228-3です。
コンタクトは、179227-1を2つ準備しましょう。
FANは同じスペック(風量と圧)のものを用意しましょう。電流値は搭載品以下にします。

2015年4月7日火曜日

技術者が不幸を生み出している?

こんばんわ、今日は、
成熟していない人間の居る社会で技術を使って仕事をすると、不幸になる人が現れる問題
に付いて思いついた事を書き綴ってみようと思います。

私が会社を転々としている理由に、
“意図しない恨みを買ってしまい転職せざるを得なくなった”
と言う、一見
“お前はただのコミュニケーション障害じゃねぇの?”
と言う原因があります。
しかしながら現実的にこの不幸になってしまう原因には複雑なものがあり、結局は余程の組織ではない限り、誰かを不幸にせざるを得ないのが現実です。

この問題の原因は、技術で仕事をすると言う事の成果物を考えてみると分かりやすいでしょう。

例えば私が成果物としてきた題材であれば、

  • 誰もやれなかった手法を用いて、過去の製品群よりも一気に性能を上げた
  • 経験と勘だけで体系化しようとしている業務を原理原則を用いて技術化し、多様な人間が触りやすいように再構築した
  • 過去の装置よりも圧倒的な小型化と出力密度上昇、高い性能を達成した
  • 提出期日を過ぎてから来る仕様に対して、即時対応できるように、ある程度柔軟性を持ったソフトウェアを組み上げた
  • 仕様が固まる前にサンプル提供をして、現物で要求仕様から生まれる結果の確認をさせ、仕様を作る側の成長を促した
  • 経験と勘で覚えこまされて来た組み込み業界を体系化して、誰でも設計者になれるように教育方法を変えた
  • 試作回数を半分以下に減らし、さらに開発期間と予算を1/4程度に圧縮した上でプロジェクトを成功させた
  • 予定された保守用経費を2/3程度まで圧縮し、億円単位の経費削減をした

大雑把に言えばこんなものです。
どれもそれなりの技術の応用からなせる業です。
しかしなたら、これらの結果は波及効果が非常に大きく、必ずと言っていいほど、過去の関係者の仕事・作業時間・賃金を奪う結果に繋がります。

なぜでしょうか?
技術を使って仕事をするという事は、
“社会が低いコストで回るように構築する事が根底にある”
ためです。
つまり、人件費削って何ぼ、投入する人工を削って何ぼ、人の仕事を奪って何ぼ、投資の資源を削って何ぼの世界なんですよね。

ですから、今まで経験と勘で技能的な結果を構築して来た人は、次の舞台へ進むように誰かが仕向けなければなりません。自らが動かず、また、会社も動かさない場合、彼れらは技術者を恨みはじめます。
結果、成熟していない社会が技術者を苦しめる問題の発生源に繋がるわけです。

我々は問題を起こしたいわけではありませんし、社会として進むべき道を進みたいだけです。
しかし、これでは進みようがありません。
ですから、この問題が継続化すると人間社会は思考を停止し、“現状にとどまる事を良し”とし始めます
そして、大企業病という変な妄想病が生まれるわけです。
しかしながら、技術的な能力の上昇は社会にとって、会社の維持存続にとっても必須要件です。
顧客の要求は常に技術的な能力の上昇結果の先にあるからです。
この問題を防ぐ会社組織であるかどうかが技術を糧にしている(というよりは大半の)会社では非常に重要な焦点であり、優秀な技術者が比較的特定の会社に集まる原因でもあります。


つまり、高度な技術を使用して欲しい会社は、その会社の土壌をしっかり形成する事こそが技術を使える会社にするための最低限度の条件でもある訳です。
土壌がしっかりとしていない会社にとっては、高度な技術というのが非常に忌み嫌われるべき存在です。なぜなら、高度な技術というのは、何人かの仕事と作業時間を奪い、最悪失職する可能性が生まれるからです。

我々の先代は先に進むと同時に変わり続ける事で社会を発展させ支えてきましたし、そうしなければ。我々はこの世には存在できませんでした。
その事実から目を背けてはなりません


技術を使って仕事をすると、特定の人の恨みを買う可能性があります。
それは技術者にとって決して快いものではないかも知れません。
しかし、技術で勝負する世界に入ったのであれば、それが局所的にであっても起きる事を心得ておく必要があります。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2015年4月6日月曜日

誰かを悪者に仕立て上げようとしていませんか?

こんばんは、
最近人の汚い部分ばかり見せ付けられている漢です。
ウンザリ気味でそろそろ道を誤って転職してやろうか?と思うぐらいになってきました。実は後1社で大台になるんですねぇ~(ぉぃ

自らの職責と仕事を放り投げて、こっち(超平社員)へバンバン放り投げてくる人が多いので、さらにそれを助長させてくれます。
相手の許容量を分かってやっているなら本物でしょうが、現実的にはほぼ駄目です。
パワハラ攻撃を連発で受けまくっている私はとっくに許容量を超えちゃってますよ?っと…。

さて、人の行動原則において、よくありがちなパターンのひとつに、
『悪者を仕立て上げて、それに全てを押し付けて罪から逃れようとする』
と言うものがあります。
ひな祭り等の祭り事の大半はそれですし、国単位でやっているのが己の正義と言う名の下に行動するアメリカです。

こういった風習はどうやら小さい社会にもあるようで、部署という程度のサイズになった途端、誰かを悪者にしてしまいたがる傾向があるように思われます。

これ、やる側は自分が正義の代弁者にでもなった気分で気分がよかったり、自分の悪事を全て他人に押し付ける事で罪の意識から逃れる事ができるのですが、やられる側はたまった物ではありません。

私も毎度ながらこのパターンにやられっぱなしで
“人は悪の寄り代を作りたがる習性を持つ”
と言う、基本的な事を忘れていたような気がします。

どうしようもない罪と言うのは確かに存在しますし、人が生きてゆく上でその運命からは逃れられないのかもしれません。
しかし、目先の快楽に目が眩み、おぼれ、他人を悪人に仕立て上げて罪を大量生産するような真似をする必要はないと思います。

大人の多くはまだ小人のままだと言う事を忘れてはなりません。
日本ではしっかりした人を(精神的に)大きな人と書いて大人(おとな)と呼びます。
それ以外を小人と呼びます。
言葉の語源の重さの意味、今ならわかるような気がしませんか?


精神の成熟と年齢には、たいした相関が無いのかも知れません。
あなたは本物の大人ですか?
それとも面だけ分厚い小人ですか?
自分で大人と思った時点ですでに小人です。
それは、第3者が決める事であり、真の大人とは常に精進し続ける必要があるからです。

先ずは難しく考えずに、どの立場の人から見られていても恥ずかしくない行動をとりましょう。
善い人への道はそこから全て始まります。

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。