2015年1月26日月曜日

結構古いテレビ SHARP LC-32GS20 の劣化対策を施す

こんばんわ
予定通り?SHARP LC-32GS20の部品を購入&交換して症状が改善されましたので、晒して置こうと思います。

問題となっている症状は
画面が黒いままだが、操作はできるし、音声も出る
というもの。
私はこの手の電源装置業界に関わっていた事もあり、起動音が歪になって来た事をしっかり認識できていたので、
あぁ、これは電源の立ち上げで失敗こいたな…
と、音でおおよそ判断できていました。
電源に使うコイル周りはどうしても音が出ますので、ここの音の特徴を覚えておくと良いです。

基板を外してみてもかなりのコスト削減の後も見られて、定常使用で5年程度の寿命設計です。
本当は今回大人気無く電源基板の寿命だけ10年延ばそうか?とも思いましたが、たぶんバックライトが先にやられるので、辞めとこうと思った次第です。

回路構成として、大容量or高耐圧のセラミックコンデンサの使用を意図的に避けているようで、フィルムで高周波を、電解で低周波を取るというしっかりとした役割分担をする思想で設計されています。
鉛フリー黎明期という事もあり、半田クラックの恐ろしさが分かっているのか?
なんて思った次第。
まぁ、セラミックコンデンサの振動問題は何の事は無く、流れる電流を極力減らしたり、機械的な共振点をずらしたり、基板の構成部材にダンピング機能を持たせたり、圧電特性の少ないセラミックを多めに使えば数で勝負して何とでもなるのですが、部品の実装数という観点でコスト削減をしたかったようです。
10年持たなくてもいいと割り切れば、これはこれで一つの手ではあります。

さて、せっかく変えるのですから…と
 日本ケミコン KMQ⇒KXJ
 ルビコン ZL⇒ZLJ
後、一部に日本ケミコン KZH(本当はKZMが良かったのだが丁度良いのが手元に無かった…)とか使わせてもらいました。
最近はネット通販なら良いコンデンサが手に入りやすくなったので、大変助かります。
と言う訳で、折角なので寿命&インピーダンス特性を配慮した体系に変更しております。
DIYでやる以上ケチると痛い目を見ます。こういうところは妥協してはいけませんよ~っと。

さて裏面を開けて…


紙フェノールの基板が電源回りです。
電源の割りにパターンの銅箔も薄く、はんだを盛って誤魔化しており、恐ろしくコスト削減を意識されて居ます。
ロックのかかるコネクタで接続されているので、丁寧に外しながら、取り出します。

これがバックライトの基板ですね。

メインの電源も外しますが、ここで要注意、

赤枠で囲った200Vのコンデンサは余程でない限り150V近く電圧が残っています
放電抵抗がほぼ無いためです。
しっかりとした放電抵抗を用意して、放電してから作業に取り掛かりましょう。
150Vで容量も高々知れて居る…と油断すると目の前で結構な火花が飛びますよ~。

さて、無事コンデンサを入れ替え、元通りに組みなおしました。
電源をいれると同時に『発破(ファイヤー)』の掛け声をお忘れなく。
煙が吹いたり、壊れても諦めがつきます。

無事、いい音で立ち上がるようになりましたとさ…。
外した電解コンデンサは軒並み寿命寸前でしたが、特に危ないのが10V,25Vの電界コンデンサ周りです。
低電圧=大電流 ですし、CPU周りの電源の大元ですので、どうしてもリップル電流を食わせがちです。ここに来てセラミックコンデンサの少ない構成はかなり厄介だと言えます。
まぁ、仕方ないところですよね…。
テレビ作っている会社にとって、テレビの電源基板なんて言うものはインピーダンスとかリップルとか関係なく、法規守ったノイズ性能&安く作る事が絶対的な使命ですから…(とても残念だよなぁ~この考え方)

という事で、昔のテレビが動かない!ってときは直ぐ諦めずに、ひと手間加えるという手段も考えてみてはいかがでしょうか?
B-CASのシステムはもう暫く続きますから、テレビもそこまでがんばって持たせてあげると、買い替えが少なくて懐が楽になるかもしれませんよ?

ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。

2015年1月11日日曜日

家のテレビが不調なので懸賞に応募したら…

おはようございました。

家のテレビシャープの古い奴SHARP LC-32GS20
が不調なので懸賞に応募したら当ってしまいました。
SONYの40インチのKDL-40W600B
¥22000程度で新品を買う事ができました。

LC-32GS20 のほうは不調原因が分かっているので、そのうちに修理でもしようと思います。
最近の家電はタイマーの仕込が基本でして、1年後はいつ壊れるか分からないですから…。

さて、それはさておき、ずいぶん軽く・安っぽくなったなぁ~というのが第一印象。
それにLEDのおかげでずいぶんと電源周りがシンプルになっています。
新品である事もあってばらしておりませんが、きっと中の基板も相当な手抜きコスト削減を行っている事でしょう。
付属のリモコンは実際すごい状態でしたし…。

さて、なんか音の感じが変わったなぁ~って事で、早速スピーカーに出ている音の状況を確認してみました。
測定機器はいつもの通りの組み合わせ(WM-61A+測定器)です。この組み合わせでは50Hz~15kHzぐらいまでの帯域はフラットに測れるはず…です。


KDL-40W600Bの測定結果の感想。
デジタル化はいい事なのかもしれませんが、ゲインを意図的に調整する事に重きを置いているためか、位相が暴れまくっています。不自然な音に聞こえたのはそのせいかもしれません。
スピーカーに変な不連続性のある位相の駆動力を当てるとコーンが機械的にうにゃるので、あまり良くありません。
つまりはS/N比が大きく低下する原因になりえます。ここのところを分かって居るのでしょうか?
勿論、kHzオーダーでは金属もこんにゃくのようにうねる…そんな現象が当然のように分かって無ければ音が汚くなる危険性を分からないかもしれませんが…。
あと、説明書にもあるように低音が弱いのはメーカーが認知してオプション買えと斡旋しているようですから、スピーカーのサイズ的にも無理があったのかもしれません。
個人的に心配なのは液晶が火達磨状態で有名な三星製らしく、はずれで無い事を祈ります。


考えてみれば、LC-32GS20 を選んだ理由って、

  • 32インチでフルスペックハイビジョンの選択肢が他に無い
  • スピーカーが横に付ける別体式で唯一まともそう

って言う理由だったからです。実際スピーカーはまともですし、当時22~23万と高かったこともあり、中の基板や構造はしっかりと作られた物になっています。
もっとも、液晶の表示は少々残念ではありますが…。

さて、新しく来た我が家のテレビはノーメンテで何年持つのか?少々不安ではありますが、しばらく様子を見ておこうとおもいます。
…先に自衛防御策も兼ねて外部電源を強化してもいいかもしれない…なんて思うので、それは個別にやってみようと思うところです。


ではでは、今日はココまで。
またの機会に会える事を楽しみにしています。